ごあいさつ
ハングル能力検定協会は1992年10月9日の創立から2024年に32周年を迎えます。当協会が主催する「ハングル」能力検定試験は、日本で初めての韓国・朝鮮語検定試験として1993年の第1回実施から今日まで61回実施され、延べ出願者数は53万人を超えました。これもひとえに皆さまのご支援の賜物と深く感謝しております。
ハングル能力検定協会は、日本で「ハングル(*1)」を普及し、日本語母語話者の「ハングル」学習到達度に公平・公正な社会的評価を与え、南北のハングル表記の統一に貢献するという3つの理念で検定試験を実施してまいりました。
いつの時代も、隣人同士がお互いを知り、良い点は学びあい、困ったときは助け合う姿勢は人として大切なものです。さらに相互理解と草の根の交流を深化させていくためにも、お互いの言葉での活きたコミュニケーション能力を身につけることがとても重要と言えます。
ハン検(*2)は日本語母語話者が「ハングル」を習得し、日本語での自然な対訳までを出題範囲とする点が特徴です。「ハングル」学習初歩の方から通訳案内士などの資格取得を目指す方まで本検定試験をより豊かな人生へのパスポートとして幅広くご活用くださることを願ってやみません。
(*1)当協会は「韓国・朝鮮語」を統括する意味で「ハングル」を用いておりますが、 協会名は固有名詞のため、「」は用いず、ハングル能力検定協会とします。 (*2)ハン検は「ハングル」能力検定試験の略称です。
인사말
‘한글능력검정시험’은 일본 최초의 한국/조선어 검정시험으로서 1993년 6월에 첫 시험이 실시되었습니다. 본 시험의 특징은 일본어를 모어로 하는 한국/조선어 학습자들을 대상으로 한 검정시험입니다. 한국/조선어를 외국어교육 이론에 기초하여 출제하며 학습자들의 학습 성과를 객관적이고 공정하게 평가하는 데 그 목적이 있습니다.
최근 한일 양국 간에서 경제적 문화적 교류가 한층 확대되는 가운데 일본에서는 일상 언어생활에 도움이 되는 자격시험에 대한 요구가 더욱 높아가고 있습니다. 본 협회는 이 같은 학습자들의 요구에 부응하고자 객관적이고 공정한 평가를 한다는 이제까지의 원칙을 그대로 견지하면서 동시에 학습자들의 실전적인 커뮤니케이션 능력을 높이기 위하여 2006년부터 새로이 출제기준을 개정하여 시험을 실시해 왔습니다.
‘한글능력검정시험’은 이제까지 61회 실시되어, 총 지원자 수는 53만 명을 넘어섰습니다.
일본에서 ‘한글능력검정시험’의 사회적 신뢰도가 높아짐에 따라 2013년부터 ‘한글능력검정시험’ 1급 합격자는 일본정부 관광청이 실시하는 통역안내사 시험의 필기시험을 면제받게 되었습니다. 또 많은 대학과 고등학교, 전문학교에서 학점으로 인정받고 있습니다. 이와 같이 ‘한글능력검정시험’은 일본에서 실시되는 한국/조선어 검정시험으로서 그 이름이 사회적으로 널리 알려지고 있습니다.
앞으로 한국에서도 저희 검정시험 제도를 효과적으로 이용하여 보다 풍요로운 인생의 밑거름으로, 일본사회에서의 활약 등에 유익하게 이용해 주시기를 바라 마지 않습니다.
協会概要
日本で初めて韓国・朝鮮語の検定試験を実施する団体として、1992年10月9日(ハングルの日)にハングル能力検定協会を設立しました。
設立当初の理念は、1.当協会が日本にて韓国・朝鮮語の普及に尽力し、2.南北どちらの正書法も認め、学習成果に正確な評価を下し、3.将来南北の正書法統一に貢献できるようにすることです。
現在もその理念を貫き、韓国・朝鮮語学習者のための価値ある資格試験実施を目指しています。
「ハングル」能力検定試験の実施
「ハングル」とは「大いなる文字」という意味の朝鮮固有の表音文字です。 協会では「韓国・朝鮮語」を統括する意味で「ハングル」を試験名に用いています。
「ハングル」能力検定試験(以下「ハン検」という)は、日本で6番目の外国語検定試験として1993年6月27日に第1回目が行われました。(韓国・朝鮮語の検定としては世界初)
当検定は、日本語を母語とする学習者にとって何が難しく、何が易しいのかを把握し、総合的でバランスのとれた評価を目指しています。
「ハングル」能力検定試験の実績
1993年6月の第1回試験は東京、大阪、福岡で実施され2,010名の方が受験されました。
ハン検は年2回(6月と11月)の検定試験を実施しています。
2002年に日韓共催で行われた「サッカーワールドカップ」を契機に受験者が急増、また2004年から巻き起こった「韓流」ブームで学習者は更に増え、受験者も増加し、第23回検定試験では1万人を突破しました。
現在、学生、会社員、主婦、自営業、公務員と職種を問わず年齢は6才から87才までと幅広い受験者層となっており、第1回~第61回の出願者累計が53万名を越えました。
試験会場も全国主要都市をはじめ各地に準会場が設置され、多くの受験者に地元で検定試験を受けていただけるよう会場拡大に努めています。
「ハングル」能力検定試験の社会的地位
- 韓国・朝鮮語検定では、日本で一番歴史が長く、唯一日本語母語話者のための検定試験。
- 全国主要都市の会場と全国各地に準会場を設置。
- 1999年9月に「特定非営利活動法人」として、東京都の認可取得。
- 多数の高校、大学等で当検定資格を単位として認めている。
(小樽商科大学、獨協大学、神田外語大学、東京成徳大学、慶應義塾大学 法科大学院、立教大学、学習院女子大学、神奈川大学、関西大学、奈良教育大学、島根大学、長崎外国語大学、大分大学 等 他多数) - 2012年12月より1級合格者が通訳案内士試験の韓国語筆記試験免除対象になるなど、上級合格者の資格活用の幅が広がっている。
語学教室の開講、講師就任、翻訳・通訳業、企業での採用条件としている 。 - 東京都では語学ボランティアを採用する際の基準にしている。
※当協会は学術的な団体であり、特定の政治・宗教・思想団体とは一切関係ありません。
「ハングル」能力検定試験の特徴と今後の方向性
- 特徴
ハン検は次の2点において特徴的な検定試験であります。
第一に、ハン検は、一般の韓国・朝鮮語学習者というよりは、日本語を母語とする学習者に特化した検定であるという点です。
一般的に外国語学習においては、学習者の母語(第一言語)がプラスにもマイナスにも作用すると言われていますが、日本語を母語とする韓国・朝鮮語学習者と日本語以外の言語を母語とする韓国・朝鮮語学習者の間には、そのような作用の面で様々な違いがあるものであります。「ハングル」能力検定試験は、日本語を母語とする学習者ならではの長所や短所を考慮し段階的に各級の出題基準を定めるとともに、特に間違いやすい点については取り立てて出題することで、より正確なレベル判定を目指すなど、日本語を母語とする学習者に特化した検定試験となっています。また、「ハングル」能力検定試験の受験者の多くが主に日本国内で学習・生活しているという学習環境、言語使用環境を考慮した語彙や題材の選定などを行い、初級の設問には日本語を、上級の出題では日本語との翻訳問題を取り入れています。
第二に、ハン検は、南北いずれの正書法も認めているという点です。 南北いずれの正書法も認めるということは、記述式試験の解答が南北いずれかの正書法で統一されていれば正解とするということだけではなく、語彙や連語、助詞や語尾のリストなどにおいても、南北の正書法にズレがある場合にその両方を提示しどちらも認めるということであり、また上の級の試験(例えば、長文読解)では、南北それぞれの正書法で書かれた文章を出題の材料にするということです。
これは、南北いずれかの正書法で学んだ学習者(受験者)について、その学習成果に正確な判断を下すためのものであると同時に、ハングル能力検定協会が、将来南北の正書法統一に貢献できるようにするという、協会創立以来の理念の反映であります。
以上2つの特徴は、ハン検の活動が呼び水となり、現在韓国内外(日本国内も含む)で実施されている韓国語能力試験(TOPIK)と「ハングル」能力検定試験の最も大きな相違点であり、ハン検の大きな特徴であると言えます。 - 今後の方向性
韓国・朝鮮語の普及においてより幅広い層への言語の普及と日本での韓国・朝鮮語学習者のコミュニケーション能力の向上が望まれる今日、ハン検は2006年春季第26回検定試験から出題基準、出題形式を改めコミュニケーション能力を重視することにしました。
2004年秋季に全国でアンケートを実施した結果、これまでは「単語の試験」、「文法重視」、「上級は文学的な表現の翻訳試験では」という意見が多く、より実用的な検定として受験者の「ハングル」能力を公正に評価し、学習者の実力アップの一助となる検定でありたいと願っています。
また2018年第50回検定試験からは、過去の試験実施経験を踏まえ、受験者の皆さまの様々な要求に対応すべく、従来の「各級レベルの目安と合格ライン」はそのままに、より受験しやすい試験となるよう、試験実施方法と一部問題形式を見直すことといたしました。今後も、当協会は受験者の声に耳を傾け、新しい時代を生きる韓国・朝鮮語学習者のためのより充実した検定試験実施を目指していきます。
※「ハングル」能力検定試験にて出題された問題文等の内容はハングル能力検定協会としての立場、見解、意見を代弁するものではありません。
特定非営利活動法人
ハングル能力検定協会